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遺伝子検査とは

公開日: 2024.02.29

検査分野

遺伝子検査とは

目次

近年、特定の疾患の発症リスク(かかりやすさ)やアルコール代謝などの体質を把握する「遺伝子検査」が注目されています。ただ「遺伝子検査」は、疾患の発症リスクや体質を把握するだけでは終わりません。検査結果に応じて、疾患の発症リスクを、生活習慣の改善などで予防したり、自分の体質に効きやすい薬を選定するための研究などに活用されたりする動きが加速しています。 

このように、疾患の発症リスクや体質を把握して予防に役立てる「遺伝子検査」とは、どのようなものなのでしょうか。くわしく解説します。 

遺伝子検査の概要

「遺伝子検査」とは、DNAを構成する遺伝子の塩基配列を調べる検査です。血液や唾液を使用する検査が一般的で、「DNA検査」と呼ばれる場合もあります。 

遺伝子は、親から子へ特徴を伝えるもので、両親から半分ずつ受け継いだDNA配列に含まれる情報を基に、臓器や器官がつくられています。そのため遺伝によって、髪や目の色といった外見の特徴や体質などが受け継がれます。このDNA配列のわずかな違いが個人差につながり、近年ここから個人の疾患の発症リスクや体質が分かるようになってきました。 

「遺伝子検査」では、検査を受ける人の遺伝子を構成するDNA配列に違いがないかを解析します。違いが確認された場合には、どの遺伝子が・どのような変異レベルなのかを、統計的に解析します。その結果、その人の疾患の発症リスクや体質などが分かります。

では遺伝子の解析は、どのように行うのでしょうか。

人間には、DNAの構成要素のうち細胞内で様々な機能を担うタンパク質を作り出す「遺伝子」が、約2.5万種類存在するといわれています。 

DNAは、アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)、シトシン(C)という4種類の塩基が対に鎖のようにつながります。この2本の鎖がらせん状につながることで、DNAの「2重らせん構造」が形成されます。このDNAの塩基配列が、ヒトの設計図となっています。 

人間の臓器や器官は様々な細胞からできており、その細胞が生まれ変わることで臓器の成長が営まれています。その細胞が生まれ変わる際に、遺伝子がコピーされるのですが、コピーに失敗するケースが生じることがあります。 

コピーの際に、異なる情報(配列)に書き換わってしまうケースを「変異」、一部の情報(配列)が無くなってしまうケースを「欠失」と表現します。

また遺伝子は、高活性の状態にあるか、低活性の状態にあるかも判別できます。塩基配列の中のシトシン(C)にメチル基(CH3)がついていた「メチル化」が起きていれば高活性な状態(ON)、起きていなければ低活性な状態(OFF)となります。どの遺伝子がONやOFFになっているかも、各種疾患や体質との関係があることが分かってきています。 

「遺伝子検査」では、上記のような遺伝子の状態を解析して、違いが無いかを確認していきます。もしも違いが確認された場合は、どの部分がどのように変更されているのか、「変異」や「欠失」などの状態を把握します。そして、「変異」や「欠失」がある方が、どのような疾患にどの程度罹患しているかといった統計データを使って、様々な疾患疾患の発症リスクや体質を算出しています。 

「遺伝子検査」で何が分かる?

では「遺伝子検査」を受けると、どのような検査結果が得られ、どのようなことが見えてくるのでしょうか。 

遺伝子検査からは、大きく以下のような情報が得られます。 

・特定の疾患のかかりやすさ

・生まれ持っての体質 など 

当社の遺伝子検査サービス「Genovision Dock®」の検査結果レポート例

上記が、当社の遺伝子検査サービス「Genovision Dock®」の結果の一部となります。

がん、心筋梗塞、高血圧、糖尿病といった疾患に関して、一般的な人と比較してどれくらい疾患の発症リスクが高いのか数値で確認できます。リスク値の算出の背景にあるのは、世界中の研究データと論文です。統計的に遺伝子の変異レベルを解析して、リスクを算出しています。

どのような疾患のリスクが解析できるのか

では具体的に、どのような疾患のリスクが解析できるのでしょうか。

当社で実施している遺伝子検査サービス「Genovision Dock®」では、がんや心臓の疾患など約90の疾患や体質のリスクがわかります。 

【リスク分析が可能な疾患の例】

・がん

・脳や神経の疾患

・目、鼻、耳の疾患

・胃腸や肝臓の疾患

・甲状腺の疾患

・関節や筋肉の疾患

・生活習慣病の疾患

・血液や心臓の疾患

・肺の疾患

・皮膚の疾患

・腎臓や泌尿器の疾患

・子宮や卵巣の疾患 など 

「遺伝子検査」サービスで解析できる疾患は非常に細かく分類されますので、上記では器官ごとの疾患という表記でリストアップしています。具体的な疾患名を記載すると膨大になりますので、当社の遺伝子検査「Genovision Dock®」で検査対象となっている疾患と体質の一覧は、こちらをご覧ください。

 リスクを知って、生活習慣の改善に役立てる

「遺伝子検査」では、上記のように特定の疾患のかかりやすさや、自分の体質が把握できます。そこで、その結果をもとに生活習慣の改善に活かす動きが重要視されています。 

「遺伝子検査」でリスクが分かる疾患は、ご自身の生活習慣の変化などの努力によってリスクの低減が期待できる「多因子疾患」と呼ばれるものばかりです。そのため、疾患は生活習慣を改善することで、発症を未然に防ぐこともできるのです。 

たとえば、心筋梗塞の発症リスクが高く出た方であれば、動物性脂肪をできるだけ控えるなどの毎日の食事で発症リスクを軽減できます。また、糖尿病の発症リスクが高いと出た場合は、栄養バランスを整えて、適切なカロリーを摂取するといった対策ができます。 

当社の遺伝子検査サービス「Genovision Dock®」では、疾患の発症リスクの解析だけでなく、その軽減に向けた最新の予防法もお伝えして、生活習慣の改善をサポートしています。当社の検査サービスを受検した人の約60%が受検をきっかけに「行動を変えようと思うようになった」、半数の方が「バイタルデータを意識するようになった」と回答しています。(当社調べ)

当社の遺伝子検査サービス「Genovision Dock®」の検査結果レポート例

「遺伝子検査」でリスクが分かった際に、結果を受け入れてリスクを回避するための行動を起こしていただくことが、「遺伝子検査」を受ける最大の効果ではないでしょうか。

 

当社の遺伝子検査サービス「Genovision Dock®」の詳細はこちら

遺伝子検査の未来

「遺伝子検査」は、今後ますます発展していくことが予想されています。

「遺伝子検査」により生活習慣を改善する人が増えれば、疾患になる人が軽減されるでしょう。そうなれば、人々が長く健康的な生活を送れるだけでなく、膨大化が進む医療費の軽減にもつながります。 

「遺伝子検査」の解析費用は、技術の進歩と共に安価になっています。

今後、さらに解析費用の低下が進むことで遺伝子検査が社会に浸透し、個人が遺伝情報を活用する時代になることが期待されています。 

たとえば、がん治療の場合においては、「遺伝子検査」により効果が出やすいと考えられる薬物を選定して治療する「がんゲノム医療」なども一部保険適用されています。このように、「遺伝子検査」の情報を活用して、患者に適したカスタマイズ医療が進んでいるのです。 

私たちは「遺伝子検査」により、個人が持つ疾患の発症リスクを把握することで、生活習慣の改善から疾患対策を行い、健康に長生きできる社会をめざしています。万が一、り患した際にも、遺伝子から判断した最適な治療法をカスタマイズできる「遺伝子検査」は、今後さらなる注目を集めることになると考えています。

 

当社の遺伝子検査サービス「Genovision Dock®」の詳細はこちら

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